路傍の石たち
ずっと昔から
そこに居たのか。
覚えていないほど前に
流れてきた。
気づいたら
長く生きてきた。
色々あったけど
何も 考えないことにした。
ただ 道端に転がっていただけ。
ただ そこにあった。
それだけの話。
あの日は砕かれて
刃物のように尖っていた。
傷つけたこともあった。
投げられたことも
踏まれたことも
蹴られたこともあった。
磨り減ったものも あった。
壊れたのか。
丸くなったのか。
ただ 道端に転がっていた。
何も 考えることはない。
ただただ 生きてきた。
それだけのことだった。
丸くなれなかったような気がする。
堅いまま頑固だったような気がする。
そんな石ころも転がっている。