色々お絵描き帳

create-cg 色々屋清兵衛のお絵描き色々、紙の上の手描きからパソコンで加工、CGの作画、その工程とラフスケッチなど、高齢者のつぶやきです。

路傍の石たち

ずっと昔から


そこに居たのか。


覚えていないほど前に


流れてきた。


気づいたら


長く生きてきた。


色々あったけど


何も 考えないことにした。


ただ 道端に転がっていただけ。


ただ そこにあった。


それだけの話。



あの日は砕かれて


刃物のように尖っていた。


傷つけたこともあった。


投げられたことも


踏まれたことも


蹴られたこともあった。


磨り減ったものも あった。


壊れたのか。


丸くなったのか。


ただ 道端に転がっていた。


何も 考えることはない。


ただただ 生きてきた。


それだけのことだった。



丸くなれなかったような気がする。
堅いまま頑固だったような気がする。
そんな石ころも転がっている。

不純な動機

若い頃は
何かが激しいエネルギーになる。


その何かは
自分でも分からないものだった。


絵を描くことが好きな青年は
何でも描こうとした。


花でも鳥でも風景でも
男でも女でも描いた。


そのエネルギーの源は何なのか
自分でも分からなかったが
描くことが楽しかった。


クロッキー教室で
裸婦を描くことに熱中した。


たまたま向かいに座る女性も
クロッキーとして描いた。



裸婦を描きながら
向かいに座る女性のスカートの中が
見えそうでドキドキした。


足を組みかえるたびに目が行った。


目の前に全裸の女性がいるのに
何故に見てしまうのだろうと。

そんな不純な自分が恥ずかしかった。


見ないようにしても
見てしまう。


いやイケナイ。
集中することは 純粋に
裸の女性を見つめて描くことなのだ と


不純な動機を振り払った。



今でも
電車の向かいに座る女性の
スカートの中が見えそうになると
目が行ってしまう不純なオヤジ。


自分の純粋な本能を
笑ってしまう年齢になっていた。

ボールペンで描く裸婦

筆を使うと太細のある線を描くことができる。

墨の濃淡を使うとメリハリのある線が描ける。


それは効果的だ。


鉛筆でもペンでも多少の強弱は出せる。

メリハリを付けると上手く見える。


だけど


それは正しい線か?


的確な表現か?


線の魅力に頼っていないか?


強弱をつけられない線を描くと


どうなる?


・・・わからない

強弱の無い線を描くのは?


・・・ボールペン・・・かな。


そうだ、

ボールペンで描こう!


ボールペンは嘘つかない!


ボールペンで裸婦を描く。



細くて単一な線だけだった。


・・・めっちゃ難しかった!(笑)


若いときは何でも挑戦できるものですね。
ボールペンで描く単一で
ビリビリ感のある線に苦しみました。


今の年齢だと何の筆記用具を持っても
ビリビリと手が震えて苦しみます・・・(--;


ルノワールの裸婦

《 筆の線で裸婦を描く 》


若い頃
美術館めぐりをしていた。


ルノワールの裸婦の像や絵を見たとき
あぁ、デフォルメしているんだと思った。


こういうふうに
ふくよか感を強調するものなのだと。


絵や彫刻は
そういう表現をするものだと思った。


それ以降
僕は ふくよかな女性に憧れをもった。


筆の線で 裸婦のふくよかさを描こうとした。 


クロッキー会場には北欧系とみられる女性がポーズをとっていた。


  


             ルノワールだ!


あぁ・・・なんということだ!

僕の憧れていた 大きなお尻 ふくよかな女性!
白い胸 血管の色まで見えるではないか!


墨壷につけた筆を走らせた。
このボリュームを描かなければ!


目の前に
こぼれるほど ふくよかな肉の塊があって
描くのが難しい。


これは・・・現実なんだ!
この迫力の前に
僕は興奮していた。


お尻まわりが120cm以上もある!


ルノワールは
ルノワールは


デフォルメなんか していなかった!



あの凄さは 40年過ぎた今でも忘れない
あのテニスボール以上ある大きな乳輪は
その後40年過ぎた人生でも目にしていない・・・

線で絵を描く

絵を描くときの始まりは線であることが多い
鉛筆の線
木炭の線
筆の線
ボールペンの線


そして
線で描くことほど難しく
これほど楽しいことはない。


若い頃ヌードを描くのは楽しかった(^^)
モデルの背後の席になると・・・楽しくない!(笑)


背中もお尻も何も無いので難しかった!


浮世絵から漫画まで、線だけで表現できる世界がある
強弱と太細、濃淡も含めて線には色々な表情がある


繊細な線、揺れる線、まっすぐな線、ギザギザな線、力強い線・・・


物のアウトラインを描くことから
線の表情は感情にまで結びつける


琴線に触れる・・・って、???
涙腺を刺激するって、感情だから
涙腺を刺激する線もあるかもしれない


その線を追って見ると
感情の表現ができるかもしれない(^^;


線についての説明は多いが理解は難しい。
線について言うのは簡単
線を描くのは超難関


「アウトラインは線ではない」とか、
「線でなくなるラインがある」
「線で量を感じさせる」と言われる。

その意味は
「線で立体を現します」とか
「線は面の一部です」とか
「線は点の連続です」って
これを言われると
目が点になる(・・;)


絵を描くときに単に線を描いただけならば、
それはタダの線。


しかし、描き手が意識を持って
「距離をあらわす線」
「立体を表現している線」
「柔らかさを表す」
「重さを感じさせる」
「硬さを描く線」
「線で感情を表します」とか。


意識して表現すれば


「線は線でなくなる」。


・・・いや、


見た目・・・


線は線ですよ!  (((((((((^^;